ようこそ、鋼球の世界へ
LESSON3 鋼球ができるまで
- キューすけくん
- アマツジ先生
球体成型
- キューすけくん
うわー速いっ!これってどれくらいの速さなんですか?
- アマツジ先生
ボールのサイズにもよるが、速いもので1分間に1000個程度のボールを打ち出すことができる。ちなみに圧縮しただけなので「バリ」と言って、帯や突起状のものがまだ付いておる。これを除去するのが、次の工程ぢゃ。
フラッシング
- キューすけくん
せんせー!ここは凄い音がしますねー!
- アマツジ先生
ここはのー!金属盤の溝の中で、ものすごい圧力を掛けながらボールを削っているんぢゃー!だから轟音がするんぢゃー!
- キューすけくん
えー?きこえませーん!
また後で教えてくださーい!
熱処理
- キューすけくん
ひゃ~、今度は凄く暑いところにきましたね。
- アマツジ先生
ボールが入ってる『レトルト炉内』は800℃以上の高温だからのう。高温から一気に冷やすことで、鋼の組織が変わって硬くなる。これが「焼入れ」。ただ、まだ脆い状態であるから、もう一度高温に入れてさらに強くする。これが「焼戻し」ぢゃ。
グラインディング
- キューすけくん
あれ、さっきも似たようなことしてましたよね?
でもそこまで大きな音がしないや。
- アマツジ先生
いいところに気がついたのう。さっきは『金属盤』でボールを削っておったが、ここでは『砥石盤』を使っておるのぢゃ。砥石を使うことで、仕上がりの精度がアップする。削る盤が変われば、ボールの精度も変わるということぢゃ。
第一ラッピング
- キューすけくん
あれー?また同じような工程ですね。
これって1回でやっちゃだめなんですか?
- アマツジ先生
グラインディングでボールの精度を良くしたからといっても、製品に必要な精度にはまだまだ程遠い。さっきよりも粒度の細かい砥石で加工することで、ボールの精度をより高め、品質を安定させておるのぢゃ。
第二ラッピング
- キューすけくん
うわー、ピッカピカだぁ!
今度もさっきの工程と、砥石が違うんですか?
- アマツジ先生
賢いのうキューすけ! ここでは第一ラッピングよりも、さらにさらに細かい砥石で加工しておる。何度も何度も加工することで、より真球に、よりピカピカのボールに仕上げていくのぢゃ!
外観検査
- キューすけくん
えー!
“全部のボール”を検査しているんですか?
- アマツジ先生
そう!全数全面を検査することで、悪いボールを出さないようにしておる。ユーザーの立場になったときに、全部の製品が検査されている方が安心できるであろう? この丁寧な検査も“天辻の製品は世界一”と言われる理由の1つでもあるのだよ。
包装
- キューすけくん
これって、1箱何kgぐらいなんですか?
- アマツジ先生
1箱4kg。これは“人が片手で持てる重さ”に設計されておる。ダンボール梱包なら20kgで、“人が安全に運べる重さ”を考慮しておる。こういう、出荷後の安全面の配慮もさすがというところだの。
- キューすけくん
ようやく完成だぁー!
先生、記念にもらっちゃいました!
- アマツジ先生
良かったのう。その一球一球にも、世界一の技術が詰まっておるのだ。
大切にするんぢゃ!